ファイザー社より「ヒムペプジ(マルスタシマブ)」の有害事象に関するお知らせ
ファイザー社による血友病コミュニティ向けレター
(2025年12月22日付)
【和訳】
血友病コミュニティの皆様へ
この度、インヒビターの有無を問わない血友病AまたはB患者を対象とするマルスタシマブ長期延長試験(B7841007)の被験者1名が、小脳梗塞およびその後の脳出血という重篤な有害事象により、2025年12月に逝去されましたことを深い悲しみとともにお知らせいたします。ファイザー社を代表し、御遺族、御友人、ならびに治療に携わった総ての方々に心よりお悔やみを申し上げます。
ファイザー社は、治験責任医師および独立した外部データモニタリング委員会と協力し、複雑な多因子的な状況、ならびに本事象の因果関係をより深く理解するため、積極的に情報収集を進めております。当該被験者は血友病Aかつインヒビター陽性患者であり、2023年に長期延長試験へ移行する前、2022年に親試験(B7841005)の有効性試験段階に参加していました。規制当局および研究責任者には報告を終えています。
臨床試験参加者の安全と健康は当社にとって最優先事項であり、私たちは透明性を重視し、新たな知見が得られるとともに、コミュニティへの情報提供を続けてまいります。
敬具
ファイザー血友病チーム
ヒムペプジはリバランス療法製剤と呼ばれる新規製剤の一つです。生体は凝固因子と抗凝固因子がバランスをとっており、このバランスが崩れると出血傾向や血栓傾向を来たします。先天的に凝固因子が不足している血友病の場合、抗凝固因子を低下させてバランスを調整すれば出血を抑制し得るという考え方に基づいています。インヒビター保有患者に対するリバランス療法は、未だ治験段階にあります。
リバランス療法製剤 (日本血栓止血学会用語集)
本件は海外における治験中に発生した事例ですが、もしも同製剤において有害事象との因果関係が見出された場合は、『ヒムペプジ』以外のリバランス療法製剤においても同様の事例が発生するかもしれないので、十分な注意が必要です。
本件については、WFH(世界血友病連盟)サイトにも詳しい記事が上がっています。
WFH and NBDF statement on severe adverse event with marstacimab rebalancing agent for hemophilia