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サノフィ社より「患者会様_オルツビーオ投与例におけるインヒビター発生の追加報告」が届きました。

2025年5月17日

『オルツビーオ』におけるインヒビター発生事例に関して、5月8日にサノフィ株式会社より新たに患者会向け報告文書が届いたので、公開します。

本報告では、4月1日時点において『オルツビーオ』に世界で11件のインヒビターが発生しており、 そのうち 3 件は日本からの報告であることが明らかにされています。ただし、特定のリスク因子(インヒビター発生につながる特定の原因)は確認されていません。

従来の知見では、どの凝固因子製剤においても、インヒビターはPUPs(Previously Untreated Patients)=これまでに治療を受けた経験のない乳幼児などの患者に発生することが多く、PTPs(Previously Treated Patients)=投与歴のある患者での発生は、多くの場合は大量投与時と考えられていました。しかし、今般の『オルツビーオ』に関して発生したインヒビター事例の中には、(不明例を除き)PUPsは含まれていないということです。

先に記した通り、現時点で『オルツビーオ』にインヒビター発生につながる特定のリスク因子は確認されていませんが、日本の規制当局であるPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)は、「インヒビターの発生」を「重要な潜在的リスク」から「重要な特定されたリスク」へと変更しており、医療施設において新たな事例があれば、確実に報告されることとなっています。今後とも、国内外の新たなデータについては、全国ネットワークに対して速やかに伝達することをサノフィ社に要請しています。ここでは、『オルツビーオ』 に係る医薬品リスク管理計画書も、改めて掲示しておきます。

以上を踏まえ、『オルツビーオ』の使用を検討している方に関しては、患者個々人の選択となります。懸念のある方は、主治医と良く御相談の上、御判断いただきたいと思います。