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WFH(世界血友病連盟)がCOVID-19ワクチンに関するガイダンスを発表

2021年1月26日

日本でも、COVID-19ワクチンの接種開始が近づいています。不安や疑問を持っている方もいらっしゃることでしょう。出血性疾患を持つ患者に対するワクチン接種について、WFH(世界血友病連盟)が2020年12月22日付でガイダンスを発表しました。
血友病診療連携委員会からの情報提供により、同ガイダンスの日本語訳を掲載します(訳者=東京医科大学臨床検査医学分野 備後真登医師)。

WFHのガイダンス 出血性疾患患者に対するCOVID-19ワクチンに関して 2021年1月 和訳版.pdf

なお、日本では、予防注射やワクチン接種は皮下注射で行なわれていますが、COVID-19ワクチンに関しては(海外と同様に)筋肉注射によって実施されます。一般的には、出血傾向の患者に対する筋肉注射は、内出血を誘発する危険性があるため注意または禁忌とされており、ガイダンスにおいても「2」で詳しく触れられています。

この点に関して、本ネットワーク・松本剛史理事長(三重大学医学部附属病院 血液内科 医師)より、以下のコメントがあります。

「一般には、凝固因子活性値が15%以上あれば、接種後に筋肉内血腫などの出血トラブルが起きることは少ないと思います。自己注射を行っている人はワクチン接種前に補充をしておけばよいですし、抗体製剤を使用している人もまず問題ないと思います。ただし、中等症や軽症で普段あまり通院していない患者が、補充せず不用意に筋肉注射を受けた場合には、出血のリスクが高くなりますので注意が必要です」

実際に接種を受ける場合には、事前に主治医と良く御相談下さい。