ゲーム『Plague Inc. -伝染病株式会社-』に対し、WFHが内容の訂正を求める
2015年2月16日
I OS、Android用のゲームアプリ『Plague Inc. -伝染病株式会社-』に関しては、ゲーム内における「血友病」という用語の不正確・不適切な使用を改めることを求め、2013年10月25日付で本ネットワークの「声明」を発表しました。
http://hemophilia-japan.org/news/2013-10-25.html
「血友病(Haemophilia)」とは限定された疾病名であるにもかかわらず、新たな伝染病を作り出して人類を滅亡させることを目的に進められる本ゲームの中では、吐き気、発疹、貧血、くしゃみ、発汗、下痢、炎症、昏睡などと並ぶ「症状」の一つとして用いられており、そもそもバランスを欠くものです。
上記「声明」については、ゲームを採り上げた様々なネットの場などでも、“患者団体として当然の要請”と受け止める声が多かったようですが、製作したNdemic Creationsが英国の企業である上に連絡先が不詳なこと、アプリの販売窓口となるGoogle及びAppleは原則として個々の内容に関与しないことなどから、改善が見られないままでした。
これと並行して、大阪ヘモフィリア友の会に所属するAさんが、WFHにメールを送り、本ゲームに関する見解と対応を求めました。これに基づき、WFHもNdemic Creationsに働きかけたものの、反応がなかったようです。
このため、WFHは2月5日、アラン・ワイル会長名によるNdemic Creationsに対する公開状をサイト及びフェイスブック上に発表しました。その内容を以下に記します。
http://www.wfh.org/en/file/documents/Open_Letter_WFH_NdemicCreations_Feb5_2015.pdf
ビデオゲーム『伝染病株式会社』の製作者Ndemic Creationsに対するWFHによる公開状
世界血友病連盟(WFH)は、50年以上にわたり、血友病、フォン・ヴィレブランド病、稀少な凝固因子欠乏症、先天性血小板異常症など先天性凝固異常症患者に対するケアの改善と維持を国際的に牽引してきました。
貴社のビデオゲーム『伝染病株式会社』において、血友病という用語が感染を伴う症状として言及されていることに我々は注意を引かれました。この言及は誤っています。血友病は、先天性の珍しい凝固異常症であり、治療が行なわれなければ、筋肉や関節に大きな出血を招きます。貴社のゲームにおける紛らわしい情報は、伝染性とは全く無縁な疾病に対して、恐怖や誤解をもたらすこととなりかねません。
我々は、今後の『伝染病株式会社』アップデートにおいて、血友病という症状名を他の適切で正確な医学用語に改めるべく貴社が検討されることを謹んで求めます。それは、生きる日々の中で数多くの患者たちが直面している無知や偏見・差別との戦いにとって、大きな支援となることでしょう。
敬具
アラン・ワイル
世界血友病連盟 会長