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海外渡航をする場合の製剤の持ち出しに関して

2017年5月22日

 従来、旅行、留学などで海外渡航をする際の凝固因子製剤の持ち出しに関しては、携帯品として通過する場合、主治医の証明書等があれば問題ない場合もありましたが、血液製剤の輸出自体は貿易管理令において経済産業大臣の承認を必要とする規制対象であるため、特に長期にわたり多量を必要とする際には、懸念される方も居られたものと思います。

 本ネットワークは、この件に関して以前より厚労省に問い合わせていましたが、このたび、5月16日付で厚生労働省医薬・生活安全局 血液対策課長名による「海外旅行等により携帯して国外へ持ち出す血液製剤等の取扱いについて」との文書が届きましたので、その概要をお知らせします。

1 血液製剤を使用する方が海外旅行等で血液製剤を携帯して国外へ持ち出す場合
  血液製剤を使用する方御本人が海外旅行等で出国する際に血液製剤を携帯する場合は承認を受ける必要はありません(輸出
 令第4条第2項第4号及び同令別表第6より)。
  なお、御家族をはじめとした血液製剤を使用する方以外の方が、海外に出国されている血液製剤を使用する方のために、血
 液製剤を携帯して出国される場合には、携帯品に当たらないため、御留意願います(同別表第6備考1より)。

2 海外で個人的に使用するための血液製剤を国際郵便等により海外に送付する場合
  海外で個人的に使用するための血液製剤を、当該血液製剤を使用する方や、御家族をはじめとした当該血液製剤を使用する
 方以外の方が国際郵便等により海外に送付する場合は承認を受ける必要はありません(輸出令第4条第2項第2号及び同令別
 表第5第3号の規定により)。

 お役所言葉で判りにくいですが、要するに――

* 患者本人が、自分で使う血液製剤を日本から持ち出すことには、全く問題ない。
* 海外で暮らしている患者のために、家族が製剤を持ち出すことは、不可。
* 海外で暮らしている患者のために、患者本人あるいは家族などが、血液製剤を(日本から海外へ)国際郵便などで送ること
  には、全く問題ない。

 ――という趣旨です。
 もう一点、重要な事項。今回の文書には、貿易管理令の規制対象となる「血液製剤」に関して、「承認の対象となる法第2条第1項に規定する血液製剤には、効能及び効果について代替性のある遺伝子組み換え製剤は含まれないことから、当該遺伝子組み換え製剤を輸出する場合には承認を受ける必要はありません」との文言がありました。即ち、遺伝子組み換え製剤に関しては、そもそも上記のような貿易管理令の縛りはかからないということが初めて明確になりました(つまり、遺伝子組み換え製剤であれば、家族等による携帯・持ち出しに関しても、問題ないことになります)。
 なお、貿易管理令の規制対象となるかならないかの判断に過ぎないので、携帯する・送付する血液製剤の量(上限)に関する言及はありません。

 ただし、これらはあくまでも日本におけるルールですから、それらの血液製剤を受け入れる側の国が無条件に一切を容認するとは限りません。ですから、血液製剤を携帯あるいは送付するにあたっては、これまで同様、説明のための証明書等を準備しておくことが望ましいとは思われます。